- 応用情報技術者試験(AP)の位置づけと、IPA が示す対象者像・業務と役割・期待する技術水準
- 2026 年度(令和 8 年度)から CBT 方式・前期/後期の年 2 回になった実施方式と日程、受験手数料
- 科目 A・科目 B の配点と基準点、および「科目 A が基準点未満なら科目 B は採点されない」多段階選抜方式
- 直近 10 年 19 回の出題実数から見た科目 A の分野別配分と頻出テーマ、科目 B の固定された問番号と分野
- 科目 A で 48 問を確保し、科目 B では 5 問すべてに部分点を積む得点設計
- 3 ヶ月/6 ヶ月の学習スケジュールと、当日の時間配分、CBT 特有の操作
この章に技術問題はありません。かわりに、以降の 24 章をどの順で、どこまでの深さで読むかを決める地図を作ります。本書は現行制度=2026 年度(令和 8 年度)試験に対応しています。IPA は「現行試験制度については、2026 年度の試験実施をもって終了し、2027 年度から新試験制度に移行する予定」と公表しているため、2026 年度が現行制度で受験できる最後の年度になります。
応用情報技術者試験は何を問う試験か
応用情報技術者試験(AP:Applied Information Technology Engineer Examination)は、IPA(独立行政法人 情報処理推進機構)が実施する情報処理技術者試験のうち、スキルレベル 3 に位置する区分です。IPA はこの試験を「ワンランク上の IT エンジニア」と紹介し、対象者像を「IT を活用したサービス、製品、システム及びソフトウェアを作る人材に必要な応用的知識・技能をもち、高度 IT 人材としての方向性を確立した者」と定めています。基本情報技術者試験(レベル 2)が「作れること」を問うのに対し、応用情報技術者試験は「独力で」役割を果たせるかを問う点が決定的な違いです。
IPA が示す「業務と役割」は、独力で次のいずれかの役割を果たすという前置きのもとに 3 つ挙げられています。① 組織及び社会の課題に対する、IT を活用した戦略の立案、システムの企画・要件定義を行う。② システムの設計・開発、汎用製品の最適組合せ(インテグレーション)によって、利用者にとって価値の高いシステムを構築する。③ サービスの安定的な運用を実現する。戦略から構築、運用までを 1 区分で覆うため、出題範囲が技術・管理・経営の 3 系にまたがります。
「期待する技術水準」は 7 項目にわたりますが、共通しているのは上位者の方針を前提に、担当範囲を自分で判断して進められることです。たとえば経営戦略の策定では「経営者の方針を理解し、経営を取り巻く外部環境を正確に捉え、動向や事例を収集できる」、システム設計では「上位者の方針を理解し、自ら技術的問題を解決できる」と書かれています。この「自ら解決する」水準が、科目 B の記述式で問われる部分です。
| 項目 | 科目 A | 科目 B |
|---|---|---|
| 試験時間 | 150 分 | 150 分 |
| 出題形式 | 多肢選択式(四肢択一) | 記述式 |
| 出題数 | 80 問 | 11 問 |
| 解答数 | 80 問(全問解答) | 5 問(問 1 必須 + 4 問選択) |
| 配点 | 100 点満点(各問 1.25 点) | 100 点満点(各問 20 点) |
| 基準点 | 60 点 | 60 点 |
| 実施日 | 科目 B とは別日に実施 | 科目 A とは別日に実施 |
表のとおり、科目 A は 80 問すべてに解答します。選択して解く余地はありません。一方の科目 B は 11 問のうち問 1 が必須で、残る 10 問から 4 問を選びます。この非対称性が学習戦略を決めます。科目 A は「捨て分野を作っても他で埋められる」、科目 B は「選ばない分野は最初から学ばなくてよい」という構造です。
2026 年度から CBT 方式・前期/後期の年 2 回へ
2025 年度までの応用情報技術者試験は、春期(4 月)と秋期(10 月)にペーパー方式で行われる年 2 回の試験でした。2026 年度からは CBT 方式(Computer Based Testing)に移行し、実施時期の呼称も前期・後期に変わりました。CBT 方式とは、試験会場に用意されたパソコンの画面に表示される問題を読み、キーボードとマウスで解答する方式です。IPA は移行の目的を「受験者の負担軽減や利便性向上」と説明しています。
| 観点 | 2025 年度まで | 2026 年度(本書の対象) |
|---|---|---|
| 実施方式 | ペーパー方式 | CBT 方式(会場のパソコンで解答) |
| 実施時期 | 春期(4 月)・秋期(10 月)の各 1 日 | 前期・後期。各期の実施期間内の複数日から選択 |
| 科目名 | 午前試験/午後試験 | 科目 A 試験/科目 B 試験 |
| 受験日 | 全国一斉の同一日 | 会場ごとの予約枠から自分で選ぶ |
| 筆記用具・メモ用紙 | 持ち込み・使用 | 配布なし・持ち込み不可。画面上のメモ機能・電卓機能を使う |
| 試験問題 | 実施後に IPA が公開 | 非公開。第三者への開示(漏洩)は禁止 |
| 出題範囲・配点・合格基準 | ― | 変更なし |
科目 A と科目 B は別日に実施され、実施期間も分かれています。申込時には科目 A 群と科目 B 群を同時に予約します。前期・後期それぞれで申込みは 1 回のみで、複数の試験区分や複数回の申込みはできません。日程は次のとおりです。
| 期 | 申込受付期間 | 科目 A 試験 実施期間 | 科目 B 試験 実施期間 |
|---|---|---|---|
| 前期 | 2026 年 10 月 6 日(火)10 時 〜 11 月 7 日(土)17 時 | 2026 年 10 月 28 日(水)〜 11 月 10 日(火) | 2026 年 11 月 24 日(火)〜 12 月 6 日(日) |
| 後期 | 2027 年 1 月 27 日(水)〜 2 月 16 日(火) | 2027 年 2 月 6 日(土)〜 2 月 19 日(金) | 2027 年 3 月 3 日(水)〜 3 月 15 日(月) |
受験手数料は 7,500 円(消費税込み)です。申込方法はインターネット申込みで、試験会場は全国に設置されます。実施期間中に空席のある試験会場・試験実施日から、自分の都合に合わせて選んで申し込みます。会場ごとに試験実施日や実施時間帯が異なる点に注意してください。受験手数料の支払いに使えるバウチャーチケット(電子的な前売りチケット)も販売予定で、企業や学校が受験料を一括で支払う用途に使えます。
成績の見え方は科目によって違います。科目 A の得点は試験終了後に試験端末に表示され、マイページでも確認できます。これに対し科目 B の得点は試験端末には表示されません。マイページでの科目 B の成績照会は、前期が 2027 年 1 月頃、後期が 2027 年 5 月頃の開始予定です。合格発表は各期の実施期間終了後にまとめて行われ、前期は 2027 年 2 月頃、後期は 2027 年 6 月頃が予定されています。
試験室への持ち込み物も制限されます。キーボードやマウスの持ち込みはできず、飲み物はラベルを外した 1000mL 以下のペットボトルの水 1 本のみです。身体の不自由等により CBT 方式で受験できない人には、ペーパー方式(筆記)による特別措置試験が実施されます。特別措置試験の申込みには、希望する措置の申請に加えて身体障害者手帳や医師の診断書などの審査書類が必要で、CBT 方式と特別措置試験を同時に申し込むことはできません。CBT 方式のままでも、イヤーマフ(雑音遮断)・筆談対応・座席配慮・試験中の薬の服用・補聴器や人工内耳の装用といった配慮を受験申込前に申請できます。ただし通信機能付き電子機器の持ち込みは不可です。
2027 年度からの新試験制度については、経済産業省と IPA が「Society 5.0 時代のデジタル人材育成に関する検討会 報告書」(2025 年 5 月公表)を踏まえて検討を進めており、見直し後の試験区分体系・出題範囲等の案(2026 年 3 月 31 日時点の検討状況)、新試験制度のサンプル問題、新試験制度のシラバスが順次公開されています。2026 年度で現行制度が終わるため、現行制度の過去問と本書で対策できる最後の機会がこの年度です。2027 年度以降に受験する可能性がある人は、IPA の「試験制度の見直しについて」を必ず確認してください。
配点・基準点と多段階選抜方式
応用情報技術者試験の採点は素点方式です。IT パスポート試験・情報セキュリティマネジメント試験・基本情報技術者試験が採用する IRT(Item Response Theory:項目応答理論)とは異なり、正解した問題の配点をそのまま足します。合格条件は試験要綱に「各科目(科目 A、科目 B)の得点が全て基準点以上の場合に合格とする」と書かれています。片方だけの合格を次回に持ち越す制度はありません。
| 科目 | 問番号 | 解答数 | 配点割合 | 満点 | 基準点 |
|---|---|---|---|---|---|
| 科目 A | 1〜80 | 80 | 各 1.25 点 | 100 点 | 60 点 |
| 科目 B | 1(必須) | 1 | 20 点 | 100 点 | 60 点 |
| 科目 B | 2〜11 | 4 | 各 20 点 | ― | ― |
この配点表から、目標が具体的な問題数に変換できます。科目 A の 60 点は 1.25 点 × 48 問ですから、80 問中 48 問の正解が合格ラインです。32 問間違えても合格します。科目 B の 60 点は 20 点 × 3 問ですから、数字の上では「5 問のうち 3 問を完答」に相当します。ただし実際の答案でこの取り方をするのは危険です。理由は後述します。
計算の型: 科目 A の必要正解数
必要正解数 = 基準点 ÷ 1 問あたりの配点 = 60 ÷ 1.25 = 48 問(80 問中)
- 満点 100 点 ÷ 出題数 80 問 = 1 問 1.25 点を確認する
- 基準点 60 点 ÷ 1.25 点 = 48 問(正解率 60%)
- 余裕を見た目標は 54 問(67.5%)。本書の分野別目標正答数はこの 54 問から逆算しています
次に、応用情報技術者試験でもっとも見落とされやすい仕組みが多段階選抜方式です。試験要綱には「科目 A 試験の得点が基準点に達しない場合には、科目 B 試験の採点を行わずに不合格とする」と明記されています。科目 A と科目 B は別日に受験しますが、科目 A が 60 点に届かなければ、科目 B の答案は開かれることすらありません。
もう 1 つ、試験要綱には「試験結果に問題の難易差が認められた場合には、応用情報技術者試験、高度試験及び支援士試験では基準点の変更を行うことがある」という規定があります。基準点は原則 60 点ですが、下方に修正される可能性が残されています。とはいえ、これを当てにした学習計画は成立しません。60 点は「動かない線」として扱ってください。
科目 A の出題分野 ― 19 回 1,520 問の実数
ここから先は、平成 28 年度春期から令和 7 年度秋期までの 19 回・1,520 問(80 問 × 19 回)を分野別に数え上げた実数に基づいて話を進めます。推計値は使っていません。まず知ってほしいのは、系別の出題数が 10 年間 1 問も動いていないという事実です。
系別が固定なら、その内側の中分類はどうでしょうか。23 中分類の 1 回平均出題数を降順に並べると、次のようになります。標準偏差の列は「回ごとの振れ幅」で、値が小さいほど問数を読めます。
| 中分類 | 系 | 19 回計 | 1 回平均 | 最少〜最多 | 標準偏差 |
|---|---|---|---|---|---|
| 11 セキュリティ | T | 190 | 10.0 | 9〜11 | 0.32 |
| 10 ネットワーク | T | 100 | 5.3 | 4〜6 | 0.55 |
| 9 データベース | T | 93 | 4.9 | 3〜6 | 0.64 |
| 3 コンピュータ構成要素 | T | 86 | 4.5 | 3〜6 | 0.88 |
| 14 プロジェクトマネジメント | M | 77 | 4.1 | 3〜5 | 0.51 |
| 4 システム構成要素 | T | 76 | 4.0 | 2〜6 | 1.12 |
| 5 ソフトウェア | T | 76 | 4.0 | 2〜5 | 0.86 |
| 1 基礎理論 | T | 73 | 3.8 | 2〜5 | 0.87 |
| 22 企業活動 | S | 71 | 3.7 | 1〜7 | 1.37 |
| 19 経営戦略マネジメント | S | 70 | 3.7 | 2〜6 | 0.98 |
| 2 アルゴリズムとプログラミング | T | 66 | 3.5 | 2〜6 | 0.94 |
| 6 ハードウェア ※ | T | 64 | 3.4 | 0〜6 | 1.60 |
| 23 法務 | S | 61 | 3.2 | 2〜4 | 0.52 |
| 16 システム監査 | M | 60 | 3.2 | 3〜4 | 0.36 |
| 17 システム戦略 | S | 59 | 3.1 | 1〜5 | 0.85 |
| 21 ビジネスインダストリ ※ | S | 54 | 2.8 | 0〜6 | 1.39 |
| 12 システム開発技術 | T | 53 | 2.8 | 1〜6 | 1.28 |
| 15 サービスマネジメント | M | 53 | 2.8 | 2〜3 | 0.41 |
| 18 システム企画 ※ | S | 38 | 2.0 | 0〜3 | 0.79 |
| 13 ソフトウェア開発管理技術 ※ | T | 37 | 1.9 | 0〜4 | 1.15 |
| 20 技術戦略マネジメント ※ | S | 27 | 1.4 | 0〜3 | 0.94 |
| 8 情報メディア | T | 23 | 1.2 | 1〜2 | 0.41 |
| 7 ユーザーインタフェース ※ | T | 13 | 0.7 | 0〜2 | 0.57 |
系の列は T=テクノロジ系、M=マネジメント系、S=ストラテジ系です。※ 印は 19 回のうち 1 問も出なかった回がある中分類(6・7・13・18・20・21 の 6 分類)で、これらについて「例年 n 問」と言い切ることはできません。逆に標準偏差 0.6 未満の 7 分類(11 セキュリティ・16 システム監査・15 サービスマネジメント・8 情報メディア・14 プロジェクトマネジメント・23 法務・10 ネットワーク)は問数がほぼ固定で、学習計画の骨格に使えます。上位 12 分類を横棒で見ると、セキュリティの突出ぶりがはっきりします。
さらに細かく、テーマ単位で数えたものが次の表です。19 回のうち何回出題されたかで並べています。「型内訳」は設問の性格で、計算=式を立てて数値を求める問題、知識=用語や規格の内容を問う問題、読解=図表やコードを読み取る問題を指します。
| 順位 | テーマ | 19 回中の出題回数 | 中分類 | 型内訳 |
|---|---|---|---|---|
| 1 | 損益分岐点 | 15 | 22 企業活動 | 計算 14・知識 1 |
| 2 | 稼働率の計算(直並列構成) | 10 | 4 システム構成要素 | 計算 9・読解 1 |
| 3 | サブネットマスクと IPv4 アドレス計算 | 10 | 10 ネットワーク | 計算 8・知識 2 |
| 4 | 回線速度・伝送時間の計算 | 9 | 10 ネットワーク | 計算 9 |
| 5 | M/M/1 待ち行列 | 8 | 1 基礎理論 | 計算 7・読解 1 |
| 6 | MTBF・MTTR と稼働率の関係 | 8 | 4 システム構成要素 | 計算 2・知識 6 |
| 7 | 正規化(判定・分解) | 8 | 9 データベース | 知識 4・読解 4 |
| 8 | EVM | 8 | 14 プロジェクトマネジメント | 知識 3・計算 4・読解 1 |
| 9 | SOA | 7 | 17 システム戦略 | 知識 7 |
| 10 | ページフォールト | 6 | 5 ソフトウェア | 計算 4・知識 2 |
| 11 | ロールフォワード/ロールバック | 6 | 9 データベース | 知識 3・読解 3 |
| 12 | 参照制約・外部キー | 6 | 9 データベース | 知識 5・読解 1 |
| 13 | 概念データモデル(E-R/UML) | 6 | 9 データベース | 知識 1・読解 5 |
| 14 | インデックス(B+木/ハッシュ) | 6 | 9 データベース | 知識 5・読解 1 |
| 15 | SDN(OpenFlow) | 6 | 10 ネットワーク | 知識 6 |
| 16 | ファジング | 6 | 11 セキュリティ | 知識 6 |
| 17 | 耐タンパ性 | 6 | 11 セキュリティ | 知識 6 |
| 18 | DNS キャッシュポイズニング | 6 | 11 セキュリティ | 知識 6 |
| 19 | WAF | 6 | 11 セキュリティ | 知識 5・読解 1 |
| 20 | アローダイアグラム(読取り・結合点時刻) | 6 | 14 プロジェクトマネジメント | 計算 2・読解 4 |
この 20 テーマのうち、9 データベースが 4 件、11 セキュリティが 4 件、10 ネットワークが 3 件を占めます。また計算型が主体のテーマが 8 件あり、上位ほど計算に偏っています。1 位の損益分岐点は 15 回、つまり19 回のうち 4 回に 3 回は出ている計算問題です。式は 1 本しかありません。こうしたテーマから潰すのが最短経路になります。
| 型 | 19 回の問数 | 比率 | 1 回あたり |
|---|---|---|---|
| 知識(用語・規格の内容) | 1,125 | 74.0% | 59.2 問 |
| 計算(式を立てて数値を求める) | 247 | 16.3% | 13.0 問 |
| 読解(図表・コードの読み取り) | 148 | 9.7% | 7.8 問 |
科目 A の 4 分の 3 は知識問題です。一方で計算は 1 回あたり 13 問しかありませんが、その 13 問は特定の中分類に集中しています。22 企業活動(計算比率 43.7%)・1 基礎理論(38.4%)・14 プロジェクトマネジメント(33.8%)・4 システム構成要素(32.9%)・3 コンピュータ構成要素(27.9%)・10 ネットワーク(24.0%)の上位 6 分類で、計算 247 問のうち 158 問(64%)を占めます。この 6 分類の計算の型を覚えるだけで、計算問題の 6 割が射程に入ります。逆に 7 ユーザーインタフェース・13 ソフトウェア開発管理技術・16 システム監査・20 技術戦略マネジメント・23 法務の 5 分類は、10 年間 1 問も計算が出ていません。
科目 B の構成と分野の選び方
科目 B は 150 分の記述式で、11 問のうち問 1 が必須、問 2〜11 の 10 問から4 問を選択して計 5 問に解答します。試験要綱の別紙「応用情報技術者試験 科目 B 試験の分野別出題数」には、13 の分野名に対して問 1 が「◎(必須解答問題)」、残りが「○(選択解答問題)」と示されています。そして 19 回の実績を数えると、問番号と分野の対応は 10 年間 1 度も入れ替わっていません。
| 問 | 分野 | 必須/選択 | 知識を学ぶ章 | 解き方を学ぶ章 | 19 回の出題回数 |
|---|---|---|---|---|---|
| 1 | 情報セキュリティ | 必須 | 第 11・12 章 | 第 23 章 | 19 |
| 2 | 経営戦略・情報戦略 | 選択 | 第 18・19・21 章 | 第 25 章 | 19 |
| 3 | プログラミング | 選択 | 第 3 章 | 第 24 章 | 19 |
| 4 | システムアーキテクチャ | 選択 | 第 5 章 | 第 24 章 | 19 |
| 5 | ネットワーク | 選択 | 第 10 章 | 第 24 章 | 19 |
| 6 | データベース | 選択 | 第 9 章 | 第 24 章 | 19 |
| 7 | 組込みシステム開発 | 選択 | 第 7 章 | 第 24 章 | 19 |
| 8 | 情報システム開発 | 選択 | 第 13・14 章 | 第 24 章 | 19 |
| 9 | プロジェクトマネジメント | 選択 | 第 15 章 | 第 25 章 | 19 |
| 10 | サービスマネジメント | 選択 | 第 16 章 | 第 25 章 | 19 |
| 11 | システム監査 | 選択 | 第 17 章 | 第 25 章 | 19 |
試験要綱の別紙では「経営戦略」「情報戦略」「戦略立案・コンサルティング技法」の 3 分野が問 2 の 1 枠を共有する形になっていますが、実績上 IT 戦略が主題になったのは令和 3 年度春期の 1 問だけです。問 2 は経営課題とフレームワークの問題と考えて準備するのが実際的です。
選ぶ 4 問を決めるには、分野の「性格」を知る必要があります。次の表は 19 回分の設問を形式別に数えたものです。形式比率は 字=字数指定の記述、記=記号選択、用=用語記述、穴=穴埋め、計=計算の割合(%)で、括弧内は小問の総数と 1 問あたりの平均小問数です。正答率は IPA 講評の評価を「高/やや高/平均/やや低/低/明記なし」の順に回数で並べています。
| 問・分野 | 題材 | 形式比率(小問数・平均) | 字数記述の傾向 | 計算 | 正答率 | 向く受験者 |
|---|---|---|---|---|---|---|
| 1 情報セキュリティ | 事案対応・対策見直し | 字 44/記 42/用 8(129・6.8) | 15〜35 字が 45 件。令和 6 年度春期以降は 35 字上限 | 19 回で 1 件 | 4/2/8/0/2/3 | 全員必須。図と人物の行動を追える人 |
| 2 経営戦略・情報戦略 | 経営課題とフレームワーク | 字 62/記 28/計 4(138・7.3) | 15 字以下 44%、25〜45 字 45% | 6 設問/5 回 | 2/2/8/1/3/3 | 因果を短く言い換えられる営業・企画職 |
| 3 プログラミング | 純アルゴリズム 18 問 | 穴 58/計 20/記 7(85・4.5) | 5 設問のみ。40 字以上ゼロ | 約 17 | 9/1/7/1/0/1 | 擬似言語を読み下しトレースできる人 |
| 4 システムアーキテクチャ | 構成図+条件表で設計判断 | 字 28/記 24/計 23/用 20(123・6.5) | 平均 1.8 設問。50 字以上ゼロ | 28(19 問中 14 問) | 1/0/12/0/2/4 | インフラ感覚と単位換算に強い人 |
| 5 ネットワーク | 構成図・ルール表・経路表 | 用 41+穴 9/字 28/記 21(117・6.2) | 20〜30 字が 66% | 7 | 3/2/7/1/1/5 | 図上で経路をなぞれる人 |
| 6 データベース | E-R 図 → SQL 穴埋め → 設計判断 | 穴 53.1+用 25.5/字 15.3(98・5.2=最少) | 上限 40 字。30 字以下が 10 問 | 記載なし | 2/0/7/2/5/3 | SQL を書いた経験がある人 |
| 7 組込みシステム開発 | 仕様書+状態遷移図 | 用 24.2/計 22.5/字 20.8/穴 18.3(119・6.3) | 40 字と 20 字で 6 割 | 27(ゼロは 2 回のみ) | 高 4/低 1 | 計算でき並行性を想像できる人 |
| 8 情報システム開発 | クラス図・状態遷移表・画面定義 | 字 33/記 28/用 25/穴 12(114・6.0) | 19 問中 18 問に出題。20 字が最多 | 8(令和 6 年度春期以降ゼロ) | 4/0/10/2/3/0 | 設計書に触れ計算を避けたい人 |
| 9 プロジェクトマネジメント | 計画・契約・見積り・リスク | 字 57.7/記 19.2/計 10.0(130・6.8) | 中心は 25 字と 35 字。40 字超ゼロ | 13/9 回 | 2/0/10/1/4/2 | 契約・見積りの語彙に強い人 |
| 10 サービスマネジメント | 運用・SLA・インシデント | 字 78/記 36/用 10(延べ 124 枝・6.5) | 6 割強が字数記述。25 字と 40 字が二大ピーク | 5 回 | 0/0/8/4/5/2 | 用語を弁別でき運用感覚がある人 |
| 11 システム監査 | 業務プロセスと承認フロー | 字 72.6/記 17.1/穴 6.2(146・7.7=最多) | 10 字以内 63%。令和 6 年度秋期以降は 15 字以内のみ | 0% | 3/0/11/1/2/2 | 業務を日本語で追える人。技術知識は不要 |
表から読み取れる非対称性が 3 つあります。第 1 に、問 3 プログラミングは字数記述がほぼ無く(5 設問のみ)、小問も平均 4.5 問と最少です。書く量を最小化したい人はここを取りにいきます。第 2 に、問 11 システム監査は計算 0%・技術知識不要ですが、小問が 1 問あたり 7.7 個と最多で、書く総量は最大になります。第 3 に、問 4 と問 7 は計算が主役(19 問中 14 問、および 27%)で、単位換算と桁の詰めが得点を決めます。この 3 点から、選択は次のように分岐します。
科目 B の 60 点は「20 点 × 3 問完答」に相当しますが、答案の作り方としては5 問すべてで 12 点(6 割)を積むほうが現実的です。記述式では完答の確信が持てないため、3 問に絞ると 1 問の崩れが致命傷になります。逆に 5 問のうち 1 問でも 0 点を作らないことが到達条件です。なお設問別の配点は非公開なので、小問ごとの重みは推定になります。均等配点を仮定すると、1 小問の重みは問 11 システム監査で約 2.6 点(7.7 小問)、問 3 プログラミングで約 4.4 点(4.5 小設問)と 1.7 倍の差が出ます。小問数の少ない分野は 1 つの取りこぼしが重いと意識してください。
合格率の 10 年推移と難易度の実像
合格率は IPA の統計資料(令和 7 年度の推移表)から、合格者 ÷ 受験者で算出した実数です。平成 28 年度から令和 7 年度までの 10 年間、年度計は 21.0% 〜 26.3% の範囲に収まっています。
| 年度 | 応募者 | 受験者 | 受験率 | 合格者 | 合格率 |
|---|---|---|---|---|---|
| 平成 28 年度 | 96,947 | 63,293 | 65.3% | 13,312 | 21.0% |
| 平成 29 年度 | 100,302 | 65,036 | 64.8% | 13,659 | 21.0% |
| 平成 30 年度 | 101,442 | 64,367 | 63.5% | 14,865 | 23.1% |
| 令和元年度 | 99,244 | 63,555 | 64.0% | 14,160 | 22.3% |
| 令和 2 年度 | 42,393 | 29,024 | 68.5% | 6,807 | 23.5% |
| 令和 3 年度 | 89,685 | 59,698 | 66.6% | 14,006 | 23.5% |
| 令和 4 年度 | 103,844 | 68,518 | 66.0% | 17,343 | 25.3% |
| 令和 5 年度 | 105,571 | 70,103 | 66.4% | 17,558 | 25.0% |
| 令和 6 年度 | 121,236 | 80,973 | 66.8% | 21,290 | 26.3% |
| 令和 7 年度 | 125,041 | 82,668 | 66.1% | 19,319 | 23.4% |
この表には、合格率よりも重要な数字が 2 つ隠れています。1 つ目は受験率が 10 年間ほぼ 65% で安定していることです。申し込んだ人の 3 人に 1 人以上が、当日会場に来ていません。2 つ目は応募者が令和 6 年度から年 12 万人を超えたことです。過去最多の水準で、令和 7 年度は 125,041 人でした。回別で見ると振れ幅はもう少し大きく、19 回の合格率は最低 20.2%(平成 29 年度春期)から最高 28.5%(令和 6 年度秋期)まで分布します。
合格率 20〜26% という数字は、裏返せば「4 人に 1 人しか受からない」ではなく「準備した人はおおむね受かる」試験だということです。受験者の 3 分の 1 が申込みだけで来ないという事実と合わせると、実際の競争は名目の合格率ほど厳しくありません。しかも合否は他人との比較ではなく、60 点という絶対基準で決まります。相対評価ではないため、自分の得点だけを設計すれば足ります。なお 2026 年度は CBT 方式へ移行するため、統計の連続性は次回の公表を待つ必要があります。
合格戦略 ― 目標得点の設計と学習計画
ここまでの実数から、得点計画を組み立てます。原則は 1 つ、満点を狙う試験ではなく、48 問を安定して超える設計にすることです。中分類を出題数と安定性で 4 群に分け、群ごとの目標正答数を決めます。
| 群 | 中分類 | 1 回の平均問数 | 目標正答数 | 方針 |
|---|---|---|---|---|
| A 落とせない | 11 セキュリティ/10 ネットワーク/9 データベース/14 プロジェクトマネジメント/16 システム監査 | 27.5 | 22 | 標準偏差が小さく問数が読め、再出題率も高い。ここで 22 問取れないと設計が破綻する |
| B 稼ぎ頭 | 3 コンピュータ構成要素/4 システム構成要素/5 ソフトウェア/19 経営戦略マネジメント/22 企業活動/15 サービスマネジメント | 22.7 | 16 | 計算の型が固定。公式 1 本+数値パターン 2〜3 型で取れる |
| C 取りこぼしを減らす | 1 基礎理論/2 アルゴリズムとプログラミング/23 法務/17 システム戦略/12 システム開発技術 | 16.4 | 10 | 上位テーマだけ厚く。基礎理論は M/M/1 とハフマン、法務は下請法・PL 法・請負/偽装請負に絞る |
| D 深追いしない | 6 ハードウェア/21 ビジネスインダストリ/18 システム企画/13 ソフトウェア開発管理技術/20 技術戦略マネジメント/8 情報メディア/7 ユーザーインタフェース | 13.4 | 6 | 合計 13.4 問しかなく 0 問の回もある。用語表と定番テーマのみ。7 ユーザーインタフェースは 0 問想定でよい |
目標の合計は 54 問で、合格ライン 48 問に 6 問の余裕があります。群 A と群 B だけで 38 問、そこに群 C の 10 問を足せば 48 問に届きます。群 D は捨てても合格できます。ただし 8 情報メディアだけは例外で、直近 6 回 6 問中 5 問が再出題という別格の効率なので、正解文を覚える扱いで 1 問取りにいく価値があります。
次に、その 54 問をどう作るかです。科目 A の最大の特徴は再出題率の高さなので、過去問演習の回し方が学習効率を決めます。分野によって再出題率は大きく割れます。
| 再出題率 | 中分類(直近 3 年の実績) | 演習方針 |
|---|---|---|
| 高い | 8 情報メディア(6 問中 5 問)、16 システム監査(19 問中 12 問=63%)、5 ソフトウェア(24 問中 10 問)、1 基礎理論(21 問中 7 問)、2 アルゴリズム(19 問中 9 問)、18 システム企画(11 問中 4 問)、23 法務(19 問中 5 問)、9 データベース(29 問中 6 問) | 平成 28 年度春期まで遡って解く。監査と情報メディアは正解肢の暗記が最も効率的 |
| 低い | 13 ソフトウェア開発管理技術(16 問中 12 問が初登場)、12 システム開発技術(14 問中 10 問)、6 ハードウェア(22 問中 15 問)、20 技術戦略(7 問中 6 問)、7 ユーザーインタフェース(5 問中 4 問)、17 システム戦略(18 問中 10 問)、11 セキュリティ(初出率 43%) | 過去問は 1 周に留め、シラバス Ver.7.2 の用語例を潰す。セキュリティは問数最大かつ初出率も高いので両輪が要る |
したがって主軸は直近 6 回(令和 5 年度春期〜令和 7 年度秋期、480 問)を 3 周し、再出題率の高い 8 分類だけ平成 28 年度春期まで遡る、という組み方になります。ネットワークは令和 6 年度春期 問 33 と令和 7 年度秋期 問 35 のように 1 年半で再出題する短周期化が起きており、直近 4 回は毎回 2〜3 問が過去問の再利用でした。反復では数値まで同じことが多い(450 百万円、0.08 倍、0.75、36%、45 万円、1 日、150 日)ため、解法だけでなく正解値を記憶に残す演習にしてください。
科目 B の準備は、科目 A とはリズムが違います。分野の配置が固定なので、学習開始時に 5〜6 分野を決め、そこだけ深くやります。分野を決めたら、その分野の知識章(本書第 3〜21 章のうち該当する章)を先に固め、第 23〜25 章で解き方を身につけます。科目 A の知識がそのまま土台になるため、科目 A を仕上げるほど科目 B の学習は短くなります。以上を踏まえたスケジュール例が次の表です。
| 期間 | 6 ヶ月プラン(週 8〜10 時間) | 3 ヶ月プラン(週 12〜15 時間) |
|---|---|---|
| 第 1 段階 | 1〜2 ヶ月目: 群 A・B の章(第 4・5・6・9・10・11・12・15・16・17・19・21 章)を通読し、章末の理解度チェックを解く | 1 ヶ月目前半: 群 A の章(第 9・10・11・12・15・17 章)に絞って通読 |
| 第 2 段階 | 3 ヶ月目: 群 C・D の章を通読。計算の型(損益分岐点・稼働率・サブネット・M/M/1・EVM)を反復 | 1 ヶ月目後半〜2 ヶ月目前半: 群 B・C の章と計算の型を反復。群 D は用語表のみ |
| 第 3 段階 | 4 ヶ月目: 科目 B の分野を 5〜6 に絞り、知識章を再読 + 第 23〜25 章 | 2 ヶ月目後半: 科目 B の分野を 5 に絞り、第 23〜25 章 |
| 第 4 段階 | 5 ヶ月目: 直近 6 回の科目 A を 1 周目・2 周目。誤答は該当章へ戻る | 3 ヶ月目前半: 直近 6 回の科目 A を 2 周。科目 B は選択分野を各 3 回分 |
| 第 5 段階 | 6 ヶ月目: 科目 A 3 周目 + 再出題率の高い 8 分類を過去に遡る。科目 B は選択分野を各 5 回分、時間を計って解く | 3 ヶ月目後半: 科目 A の誤答だけ 3 周目。科目 B は時間を計って通し演習を 2 回 |
| 直前 1 週間 | CBT の体験ページで操作を確認。計算の型と再出題テーマの正解値を見直す | 同左 |
どちらのプランでも、最後の 1 週間に新しい分野を足さないことが重要です。科目 A は再出題が効く試験なので、直前は既習の正解値を固める時間に使うほうが得点になります。また CBT 方式は今回が初回なので、IPA が公開予定の試験画面の体験ページで基本操作を必ず確認してください。
当日の時間配分と CBT の操作
科目 A は 80 問を 150 分で解くので、単純割りで 1 問 1.875 分(約 1.9 分)が上限です。科目 B は 5 問を 150 分なので 1 問 30 分が上限で、選択と見直しの時間はそこから捻出します。どちらも「上限」であることが重要です。上限どおりに使い切る配分にすると、見直しの時間が残りません。
科目 B は問 1 から解きます。理由は 3 つあります。① 必須なので避けられず、後回しにしても持ち時間が減るだけである。② 19 回の講評で正答率が「高」4 回・「やや高」2 回・「平均」8 回と、16 回が平均以上で得点が読める。③ 最初に解くので 35 分を超えると選択問題を圧迫する。ただし 19 回中 18 回で低正答率の設問が 1〜3 個仕込まれているため、深追いは禁物です。問 3 プログラミングを選ぶ人だけは、問 1 の直後に問 3 を置いてください。終盤に始めると撤退の判断が遅れます。
| 問 | 撤退ライン |
|---|---|
| 1 情報セキュリティ | 記述 1 問に 3 分以上迷ったら空欄のまま次へ進む |
| 3 プログラミング | 着手 10 分で「実データ ↔ 配列」の対応表が書けなければ撤退 |
| 5 ネットワーク | 記述で詰まったら 3 分で捨て、用語・記号を先に埋める |
| 6 データベース | 空欄 1 つに 3 分以上かけない |
| 11 システム監査 | 本文の読み返しは 1 回まで |
最後の 10 分の見直しでは、次の 6 点を機械的に確認します。① 空欄が残っていないか。② 主体が設問の主語と一致するか。③ 文末が問い方に対応するか(理由を問われたら「〜から」、目的なら「〜ため」)。④ 字数は上限の 8 割以上か。⑤ 単位・桁数・切上げ/切捨て。⑥ 「本文中の字句を用いて」という指示を守ったか。19 回分の講評を横断すると、失点の最頻原因は用語を名前でしか覚えていないことと、設問が指定した観点・主体・対象を外すことです。どちらも見直しで拾えます。
シラバス Ver.7.2 の構造と本書の章対応
出題範囲の正本は「応用情報技術者試験(レベル 3)シラバス Ver.7.2」です。シラバスは共通キャリア・スキルフレームワークの知識体系(BOK:Body of Knowledge)に沿って、大分類 → 中分類 → 小分類の 3 階層で範囲を示し、小分類ごとに「目標」と「内容(用語例)」を挙げています。目標の表現は「修得し、適用する」(知識を規則や原理に当てはめて自ら解決する能力)と「修得し、応用する」(知識を状況に応じて組み合わせ応用する能力)の 2 段階です。
構造は 3 系・大分類 9・中分類 23 です。ここで注意が要るのは、テクノロジ系が大分類 1〜4(中分類 1〜13)まで及ぶ点です。「開発技術」はマネジメント系ではなくテクノロジ系に属します。図 1-4 のテクノロジ系 50 問には、システム開発技術とソフトウェア開発管理技術が含まれています。
| 系 | 大分類 | 中分類 | 本書の章 |
|---|---|---|---|
| テクノロジ系 | 1 基礎理論 | 1 基礎理論 | 第 2 章 |
| テクノロジ系 | 1 基礎理論 | 2 アルゴリズムとプログラミング | 第 3 章 |
| テクノロジ系 | 2 コンピュータシステム | 3 コンピュータ構成要素 | 第 4 章 |
| テクノロジ系 | 2 コンピュータシステム | 4 システム構成要素 | 第 5 章 |
| テクノロジ系 | 2 コンピュータシステム | 5 ソフトウェア | 第 6 章 |
| テクノロジ系 | 2 コンピュータシステム | 6 ハードウェア | 第 7 章 |
| テクノロジ系 | 3 技術要素 | 7 ユーザーインタフェース | 第 8 章 |
| テクノロジ系 | 3 技術要素 | 8 情報メディア | 第 8 章 |
| テクノロジ系 | 3 技術要素 | 9 データベース | 第 9 章 |
| テクノロジ系 | 3 技術要素 | 10 ネットワーク | 第 10 章 |
| テクノロジ系 | 3 技術要素 | 11 セキュリティ | 第 11・12 章 |
| テクノロジ系 | 4 開発技術 | 12 システム開発技術 | 第 13 章 |
| テクノロジ系 | 4 開発技術 | 13 ソフトウェア開発管理技術 | 第 14 章 |
| マネジメント系 | 5 プロジェクトマネジメント | 14 プロジェクトマネジメント | 第 15 章 |
| マネジメント系 | 6 サービスマネジメント | 15 サービスマネジメント | 第 16 章 |
| マネジメント系 | 6 サービスマネジメント | 16 システム監査 | 第 17 章 |
| ストラテジ系 | 7 システム戦略 | 17 システム戦略 | 第 18 章 |
| ストラテジ系 | 7 システム戦略 | 18 システム企画 | 第 18 章 |
| ストラテジ系 | 8 経営戦略 | 19 経営戦略マネジメント | 第 19 章 |
| ストラテジ系 | 8 経営戦略 | 20 技術戦略マネジメント | 第 19 章 |
| ストラテジ系 | 8 経営戦略 | 21 ビジネスインダストリ | 第 20 章 |
| ストラテジ系 | 9 企業と法務 | 22 企業活動 | 第 21 章 |
| ストラテジ系 | 9 企業と法務 | 23 法務 | 第 22 章 |
本書は 25 章構成で、第 2〜22 章が科目 A の 23 中分類を覆い、第 23〜25 章が科目 B の解き方を扱います。読む順序は目的によって変えてください。
| 学習パス | 読む順序 | 向く人 |
|---|---|---|
| 得点効率で読む | 第 1 章 → 群 A の章(9・10・11・12・15・17)→ 群 B の章(4・5・6・16・19・21)→ 群 C → 第 23〜25 章 | 学習期間が 3 ヶ月以内の人。合格ラインへの最短経路 |
| 順番に読む | 第 1 章 → 第 2 章から第 25 章まで通し | 6 ヶ月以上取れる人。基礎理論から積み上げたい人 |
| 科目 B 起点で読む | 第 1 章 → 第 23 章 → 選ぶ 4 分野の知識章 → 第 24・25 章 → 科目 A の残り | すでに科目 A レベルの知識がある実務経験者 |
各章の冒頭には「この章で学ぶこと」とその中分類の出題実数・目標正答数が書かれています。時間が足りないときは、そこだけ読んで章を飛ばす判断をしてください。捨てる判断を早くできることが、この試験では得点になります。
ひっかけポイント
理解度チェック(科目 A 形式)
Q1. 2026 年度の応用情報技術者試験 科目 A の試験時間、出題数、解答数の組合せとして正しいものはどれか。
- 120 分・80 問・80 問
- 150 分・80 問・80 問
- 150 分・60 問・60 問
- 150 分・80 問・60 問
正解: イ 科目 A は 150 分・出題数 80 問・解答数 80 問で、全問に解答します。ア は試験時間が誤り(CBT 移行でも試験時間は変わっていません)。ウ の 60 問は基本情報技術者試験の科目 A の出題数です。エ は選択解答があるかのような誤りで、科目 A に選択の余地はありません。
Q2. 科目 B 試験の出題数・解答数と問 1 の扱いについて、正しい記述はどれか。
- 11 問出題され、任意の 5 問を選択して解答する
- 11 問出題され、問 1(情報セキュリティ)が必須で、問 2〜11 から 4 問を選択する
- 10 問出題され、問 1 が必須で、問 2〜10 から 4 問を選択する
- 11 問出題され、全問に解答する
正解: イ 試験要綱の別紙どおり、問 1 が◎(必須解答問題)、問 2〜11 が○(選択解答問題)で出題 10・解答 4 です。ア は問 1 が必須である点を落としています。ウ は出題数が誤り。エ は解答数が誤りで、5 問だけ解答します。
Q3. 応用情報技術者試験の合格基準として正しいものはどれか。
- 科目 A と科目 B の合計得点が 120 点以上
- 科目 A と科目 B の平均得点が 60 点以上
- 科目 A・科目 B の各得点がいずれも基準点(60 点)以上
- 科目 A が 60 点以上で、科目 B は評価ランク A
正解: ウ 試験要綱は「各科目の得点が全て基準点以上の場合に合格とする」と定め、配点は各科目 100 点満点・基準点 60 点です。ア・イ は合計や平均で判定する誤りで、一方が 60 点未満なら不合格です。エ の評価ランクは高度試験の科目 B-2(論述式)の評価方法で、応用情報技術者試験では使いません。
Q4. 応用情報技術者試験で採用されている多段階選抜方式の説明として、適切なものはどれか。
- 科目 A の得点が基準点に達しない場合、科目 B の採点を行わずに不合格とする
- 科目 A の上位一定割合の受験者だけが科目 B を受験できる
- 科目 B の得点が基準点に達しない場合、科目 A を再採点する
- 科目 A の得点に応じて科目 B の基準点が変動する
正解: ア 試験要綱の多段階選抜方式の規定そのままです。イ は誤りで、科目 A の結果に関係なく科目 B は受験します(採点されないだけです)。ウ のような再採点の規定はありません。エ の基準点変更は「試験結果に問題の難易差が認められた場合」に行われるもので、個人の科目 A の得点とは連動しません。
Q5. 科目 A・科目 B の配点割合について、正しい組合せはどれか。
- 科目 A: 各 1.25 点/科目 B: 問 1 が 20 点、問 2〜11 が各 20 点
- 科目 A: 各 1.00 点/科目 B: 問 1 が 40 点、問 2〜11 が各 15 点
- 科目 A: 各 1.25 点/科目 B: 問 1 が 40 点、問 2〜11 が各 20 点
- 科目 A: 各 1.50 点/科目 B: 全問 25 点
正解: ア 試験要綱の問題別配点割合では、科目 A が問 1〜80 の各 1.25 点(合計 100 点)、科目 B が問 1 に 20 点、問 2〜11 は 4 問解答で各 20 点です。イ の各 1.00 点では 80 点満点になり 100 点になりません。ウ は問 1 の配点が誤りで、必須問題も他と同じ 20 点です。エ は科目 A の合計が 120 点になり成立しません。
Q6. 2026 年度の科目名の変更に関する記述のうち、適切なものはどれか。
- 科目名の変更に伴い、出題範囲と出題数も見直された
- 午前試験は科目 A-1 試験、午後試験は科目 A-2 試験に変更された
- 科目名の変更に伴い、科目 A の試験時間が 120 分に短縮された
- 科目名は変更されたが、出題形式・出題数・採点方式・配点・合格基準に変更はない
正解: エ IPA は「問う知識・技能の範囲そのものに変更はありません。また、出題形式、出題数・解答数、採点方式、配点、合格基準も同様に変更はありません」と明記しています。ア は範囲・出題数が変わったとする誤り。イ は名称の対応が誤りで、応用情報技術者試験では午前→科目 A、午後→科目 B です(A-1/A-2 は高度試験と支援士試験の名称)。ウ の試験時間も 150 分から変わっていません。
Q7. 2026 年度の応用情報技術者試験の受験手数料と申込みに関する記述のうち、適切なものはどれか。
- 受験手数料は 5,700 円で、申込みは前期・後期あわせて 1 回のみである
- 受験手数料は 7,500 円で、科目 A 群と科目 B 群を同時に予約する
- 受験手数料は 7,500 円で、科目 A の合否を確認してから科目 B を予約する
- 受験手数料は科目ごとに 7,500 円ずつ必要である
正解: イ 受験手数料は 7,500 円(消費税込み)で、申込時に科目 A 群と科目 B 群を同時に予約します。ア は金額が誤りで、申込みは「前期・後期それぞれ 1 回のみ」なので前期と後期の両方に申し込むことは可能です。ウ は同時予約が要件である点に反します。エ のように科目ごとに徴収されることはありません。
Q8. 令和 8 年度前期の高度試験・情報処理安全確保支援士試験において、科目 A-1 試験の免除を申請できる者はどれか。
- 令和 8 年度前期の応用情報技術者試験に合格した者
- 応用情報技術者試験の科目 A で 60 点以上を取った者
- 令和 6 年度春期から令和 7 年度秋期の応用情報技術者試験に合格した者
- 応用情報技術者試験の受験申込みを行った者
正解: ウ 令和 8 年度前期試験では、令和 6 年度春期・令和 6 年度秋期・令和 7 年度春期・令和 7 年度秋期における AP・高度試験・SC の合格者が科目 A-1 免除を申請できます。ア は同一期の合格では間に合いません(前期の成績を基に免除申請できるのは後期からです)。イ は科目 A だけの通過では対象になりません(対象は試験区分の合格者です)。エ は申込みだけでは当然対象外です。
Q9. 過去 10 年 19 回の科目 A における系別出題数について、正しい記述はどれか。
- テクノロジ系 40 問・マネジメント系 20 問・ストラテジ系 20 問で毎回一致している
- テクノロジ系 50 問・マネジメント系 20 問・ストラテジ系 10 問で毎回一致している
- 系別の出題数は回によって大きく変動する
- テクノロジ系 50 問・マネジメント系 10 問・ストラテジ系 20 問で毎回一致している
正解: エ 19 回すべてでテクノロジ 50 問(62.5%)・マネジメント 10 問(12.5%)・ストラテジ 20 問(25.0%)が厳密に一致します。ア・イ は配分が誤りで、マネジメント系が最少(10 問)です。ウ は誤りで、系別の配分は 10 年間 1 問も動いていません(中分類レベルでは変動します)。
Q10. 科目 A で基準点 60 点を確保するために必要な正解数は何問か。
- 60 問
- 56 問
- 48 問
- 40 問
正解: ウ 1 問 1.25 点なので、60 ÷ 1.25 = 48 問です(80 問中の 60%)。ア の 60 問は 75 点で、必要数を過大に見積もった値です。イ の 56 問は 70 点で、余裕を持たせた目標値としては妥当ですが基準点そのものではありません。エ は 50 点分(40 × 1.25)にしかなりません。
Q11. 2026 年度の CBT 方式による試験の実施に関する記述のうち、適切なものはどれか。
- 試験会場でメモ用紙と筆記用具が配布される
- 電卓は自分で用意したものを持ち込める
- 科目 A と科目 B は同じ日に連続して実施される
- 試験画面上のメモ機能・電卓機能が使用でき、メモ用紙・筆記用具は配布されない
正解: エ IPA は当初のメモ用紙・筆記用具の配布予定を改め、試験画面上でメモ機能・電卓機能を使用できるようにしました。配布は行わず、自分で用意したものも持ち込めません。ア はこの更新前の記述で、現在は誤りです。イ も持ち込み不可です(キーボードやマウスも持ち込めません)。ウ は誤りで、応用情報技術者試験では科目 A と科目 B を別日に実施します。
Q12. 2026 年度試験の成績照会と合格発表に関する記述のうち、適切なものはどれか。
- 科目 A の得点は試験終了後に試験端末に表示されるが、科目 B の得点は表示されない
- 科目 A・科目 B の得点はいずれも試験終了後に試験端末に表示される
- 科目 A・科目 B の得点はいずれも試験端末には表示されない
- 合格発表は受験日ごとに個別に行われる
正解: ア 科目 A の得点は試験終了後に試験端末に表示され、マイページでも確認できます。科目 B の得点・評価ランクは試験端末には表示されず、マイページでの成績照会開始は前期 2027 年 1 月頃、後期 2027 年 5 月頃の予定です。イ・ウ はこの非対称を取り違えた誤り。エ は誤りで、合格発表は前期・後期それぞれの実施期間終了後にまとめて行われます(前期は 2027 年 2 月頃)。
まとめ
| 項目 | 覚える数字・要件 |
|---|---|
| 科目 A | 150 分・80 問全問解答・各 1.25 点・100 点満点・基準点 60 点=48 問正解 |
| 科目 B | 150 分・11 問出題 5 問解答・問 1 必須・各 20 点・100 点満点・基準点 60 点=3 問完答分 |
| 合格条件 | 両科目とも基準点以上。科目 A が基準点未満なら科目 B は採点されない(多段階選抜方式) |
| 科目免除 | 応用情報技術者試験には免除も科目合格の持ち越しもない。合格すると高度試験・支援士試験の科目 A-1 免除を申請できる |
| 実施方式 | 2026 年度は CBT 方式・前期/後期。受験手数料 7,500 円。画面上のメモ機能・電卓機能(筆記用具の配布・持ち込みなし) |
| 前期日程 | 申込 2026 年 10 月 6 日〜11 月 7 日/科目 A 10 月 28 日〜11 月 10 日/科目 B 11 月 24 日〜12 月 6 日/発表 2027 年 2 月頃 |
| 後期日程 | 申込 2027 年 1 月 27 日〜2 月 16 日/科目 A 2 月 6 日〜19 日/科目 B 3 月 3 日〜15 日/発表 2027 年 6 月頃 |
| 科目 A の配分 | 19 回すべてテクノロジ 50・マネジメント 10・ストラテジ 20。型は知識 74.0%・計算 16.3%・読解 9.7% |
| 最多分野 | 11 セキュリティが 1 回平均 10.0 問(科目 A の 8 分の 1)。次に 10 ネットワーク 5.3 問、9 データベース 4.9 問 |
| 科目 B の配置 | 問 1 情報セキュリティ(必須)から問 11 システム監査まで 19 回不変。捨て分野は学習開始時に決められる |
| 目標得点 | 科目 A は群 A 22 問+群 B 16 問+群 C 10 問+群 D 6 問=54 問。科目 B は 5 問すべてで 6 割 |
| 当日の配分 | 科目 A は 1 巡目 120 分+再検討 30 分。科目 B は選択 5 分+5 問各 27 分+見直し 10 分 |
| 合格率 | 年度計で 21.0〜26.3%(直近 5 年度は 23.4〜26.3%)。受験率は約 65% |
| 制度の期限 | 現行制度は 2026 年度で終了し、2027 年度から新試験制度へ移行予定 |
ここまでで地図はできました。次章からは実際の出題範囲に入ります。第 2 章「基礎理論」は 1 回平均 3.8 問で、M/M/1 待ち行列(19 回で 8 回)とハフマン符号(5 回)という 2 つの計算テーマが得点源になる章です。